<各結果への感想>




(1)年齢・職業等回答者に関する質問の回答結果

 回答者について、20代の女性が44%と大半を占めた。
 インターネットでのアンケートということもあり、若い層の回答が多く集まったように思う。
 今後、幅広い年齢層からの意見を得るために、アンケート方法を模索する必要がある。

 バレーを観始めたきっかけは、やはりテレビ放送によるものが多かった。
 バレーボールの大まかなルールを知らない人は少ないので、すんなりと試合を観戦できるスポーツなのだと思う。
 また、国際試合のように、応援するチームが明確な方が、それまで興味が無かった人にでも、受け入れやすいように思う。
 しかし、バレーボール観戦の普及に国際大会を有効活用するには、全日本が強くなる必要がある。
 あまり興味が無いとはいえ、日本が勝てば嬉しいし、負ければ悔しい。そして、誰も悔しい思いはしたくない。
 単純だが、テレビを見続けるか、他のチャンネルに変えてしまうかは、これが理由だと思う。




(2)Vリーグ・その他試合・大会に関する質問の回答結果

 試合観戦回数については、全て1〜3回が過半数を占めた。
 試合会場が日本全国を転々とする設定のため、交通費・宿泊費などを含めると、かなりの出費となる。
 したがって、地元のみの観戦など、回数に制限が発生していると思う。

 観戦席については、女性はアリーナ席が多く、男性はスタンド席が多かった。
 実際、試合会場でも、アリーナ席は女性が大半を占め、女性と一緒に来ている男性が少し見られる程度。
 複数回行く理由の結果で、女性は「好きな選手がいるから、チームが好きだから」というのが多いのに対し、
 男性は「試合が面白いから」というのが多いことから、男性の方が試合内容を重視しているため、
 コート全体を見渡せるスタンド席を選ぶのではないかと思う。
 オーロラビジョンなどで試合状況を投影することがないバレーボールの場合、
 観る位置によっては試合を全く楽しめない席が存在するのも事実である。

 生で試合観戦をして良かった点は、人により千差万別だった。
 しかし、楽しむ観点が違っても、それぞれが感じている「ワクワクした気持ち」が伝わってきた。

 一方、悪かった点は、各位(ファン、役員、選手)のマナー・モラルの問題が多かった。
 私達ファンも、自分の行動を振り返って、出来ることから改善していく必要がある。

 会場にて観戦しない理由および開催地の不満について、会場の利便性と広告(告知)の不備が多かった。
 会場については、今すぐに改善できるか不明だが、広告の不備については、早急に改善するべきだと思う。

 チケットの値段については、圧倒的に高いと感じている人が多かった。
 初めて観戦するには敷居が高く、繰り返し観戦するには出費が高額になるため、客足が遠のく可能性もある。
 実際、会場のスタンド席には空席が目立つ。空席を埋めるためにも、各大会の内容について、早急に見直していく必要があると思う。




(3)ファンサービス・選手に関する質問の回答結果

 女性ファンの多数が特定のチーム・選手を応援し楽しむのに対し、男性ファンはバレーボールの試合そのものを楽しんでいる傾向がある。
 楽しみ方に違いはあるが、良いプレーがあると会場全体が盛り上がることからも、皆、バレーボールが好きであり、
 大切なのは「全てのファンを魅了するプレー」につきるのではないかと思う。
 
 ファンをやめたきっかけについては、つまらない試合やプレー、バレー界への不満が原因の多くを占めた。
 これら全てが、現在バレー界を取り巻く問題であり、ひとつでも無くなるよう、改善していく必要がある。

 選手のファンサービスについては、「してくれると嬉しい」程度のものが80%以上を占めた。
 ファンは、過剰なファンサービスではなく、何よりも「良い試合・良いプレー」を期待している。




(4)情報・メディアに関する質問の回答結果

 バレー情報の収集は、「インターネット」を利用する場合が多く、続いて「雑誌」・「新聞」などのメディアであった。
 本アンケートがインターネット上での調査ということも原因のひとつだとは思う。
 雑誌は「バレー雑誌」であり、自ら情報を収集しようとしなければ、情報が 流れてくるわけではないのが現状である。
 また、バレー雑誌の購読理由などからも、一般生活の中でのバレーに関する情報の少なさに問題があると思う。

 バレー雑誌の購読理由は、選手のアイドル視を良しとする人と、興味の無い人とで、購入雑誌が分かれる。
 また、「本屋に置いていない」という回答も多かった。確かに、大きな書店ですら、バレー雑誌はあまり見かけない。

 テレビ放送については、録画であってもノーカットを望む回答が多かった。
 試合の性質上、カットされると勝敗が明白になり、結果への楽しみがなくなってしまう。
 また、結果ではなく、試合運びに一喜一憂するという楽しみもなくなってしまう。

 テレビの放送時間については、いつでもよいという回答が多かった。
 ビデオの普及によるものだと思う。但し、やはり、事前の番組宣伝は必要だと思う。




(5)現在のバレー界に関する質問の回答結果

 バレーボール協会については、「知らない/分からない」という意見が、圧倒的に多かった。
 本アンケートの発起理由のひとつは、「知らないことがたくさんあることを知った」からであり、
 これからそれらを1つ1つ明確にしていきたい。

 相次ぐ廃部についての責任は、協会・企業で半数を占めた。
 現時点で、協会の役割、企業の役割が明確ではないので、それぞれへのイメージによるものだと思う。
 協会はバレーボールの普及・発展が活動目的であり、企業は会社(全ての社員を含む)の発展が活動目的である。
 長引く不況の中、バレーボールを一歩離れて、リストラなどが進む経済状況を考えると、
 企業ばかりを責めるのは現実的ではないと思う。





<総括>

 バレーボールが好きという気持ちは、ファンも選手も協会役員も一緒である。
 とかく、「ミーハー」と言われがちな女性ファンだが、アンケート集計結果でも分かるように、
 試合会場へと足を運ぶ原動力は、「ファンサービス」ではなく「良い試合・良いプレー」である。
 「選手」を商品とした企画で収益を考える前に、「良い試合・良いプレー」を一人でも多くの人に観てもらうことが重要なのではないかと思う。
 また、男性の意見は、少数ながらも、冷静かつ客観的で、とても貴重な意見であった。
 第1弾のアンケートにて分かった「現状」を踏まえ、これからどうしていくべきなのかを考えるべく、アンケートを継続していきたい。


 ご協力、ありがとうございました!これからもよろしくお願いします!


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